A. ソケット
1. どんなソケットがベストか!
他のページにも書いてるかと思いますが、ソケットがすべてです。
ソケットが適合してないと、どんな高額なパーツを買っても全く機能しません。痛くて歩けないという分かりやすい理由です。専門誌にもそのように書かれています。
私が思うのは、どんなソケットでも良いから、その装具士さんが得意とするソケットを、その患者にピッタリ合わせて作ってもらうことも一つの方法と思います。
たとえ従来式の四辺形ソケットでも、合っていれば走ることだってできます。
残念ながら、日本全国、どの装具士さんでも、すべての種類のソケットを作れる訳ではありません。
一部?の学校では四辺形ソケットしか教えないというところもあるとか。
※無理もありません。装具士さんは義足だけでなく、義手も、コルセットも、その他、作る装具は色々ありますからね。
最も重要でありながら、他のパーツに比べ技術の進歩が遅いように感じます。
皆さんご存知かと思いますが、
四辺形ソケット、坐骨収納型ソケット、ISNYソケット、MASソケット
このあたりが有名ですよね。正確に書く自信が無いので、軽く流してください。
2. 四辺形ソケット
基本中の基本。 普及型。 これなら、どの装具士さんでも作れるはず。 1重式と内側にやや柔らかいプラスチックまたはシリコンが使われた2重ソケット式がある。
筋肉に力を入れたときの筋肉の膨張を考えて四角形になっている。 設計理論がしっかりしている。
短所は設計上、余分なスペースが多く、スポーツなどでは不利・・・と言われているが、しっかりつくれば、これでも、練習可能。
3. 坐骨収納型ソケット
その名の通り、坐骨をすっぽり覆ってしまうような形状で、ホールド性が高い。スポーツに向いているらしい。
※自転車には不向きという人に会ったことがあります。
4. ISNYソケット
詳しくは、【用語集】:「ISNYソケット」や専門家のページをご覧下さい。「ソケット 義足」こんなキーワードで検索すると専門家の解説に簡単に行きつきます。
上記の四辺形や坐骨収納が、断端部分を支えるソケットの形の分類だとすると、ISNYはそれと膝とをつなぐ部分の違いというところです。このソケットを使っている人も良く見かけます。
5. エアソケット
これもISNYみたいに、断端に接する内側部分と外側部分の間に特徴があり、その名の通り、間に小さな風船を入れることで、より密着性の高いソケットを実現しようとしているようです。 けれど、私がみたのは、風船が3箇所あるだけで、基本的に内側のソケットがしっかりできてないと、やっぱりだめ。
まるで普及してない様子。(つまり、それほど驚くような効果が無い模様)
6. MASソケット
画期的な新技術が普及しつつあります。
別途特集しました。まだまだ作れる装具士さんは少ない模様。。
7. ちょっと面白い話を聞いた.
坐骨収納式、ISNYソケットについては、設計理論が完成していないらしい。 学会などで聞いていると、同じ坐骨収納式と言っても、作り方が十人十色だそうだ。 良く言えば、それぞれの装具士さんが施行錯誤を繰り返している。悪く言えば、設計理論が無い。 「うちは坐骨収納ソケット作れますよ」と言っても、本当に作れるのか怪しい場合もある。
8. 大腿義足用シリコンライナー(例、アイスロス)
大腿義足用シリコンライナー、これも画期的な技術です。これまた特集してあります。
下腿義足ではとてもポピュラーなもので、断端にシリコンのカバーを履かせてそのままソケットを取りつけるものです。
※ [2005.02.25] 大腿用アイスロスのページを追加しました。
※このページでは主にアイスランド製を記載してますが、他にもあります。
主に皮膚が弱い人やお年より向けと言われていましたが、そうでもないようで、メーカーさんとしては、そこそこの活動レベルの人にも勧めていくようです(まだ営業を始めたばかり、アイスランドの会社からの技術輸入)。
以下、私が購入する前に作成した文章です。
実際に装着している人に会いました。 写真を取らせてもらったので、以下に掲載します。まだ付けたばかりだそうで、長所短所などの感想は得られず。
このようなシリコンの靴下のようなものを断端に装着します。
上の靴下の先端に金属のピンが付いているものがあり、後はソケットの内側の穴にカチャ!と入れるだけなのですが、この患者さんは、下のように紐を引っ張るタイプを選択。力が無い方は紐を選択する模様。
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切断初期には、断端包帯法の変わりにもなるので、一日中付けても良い感じとのこと。
問題点としては、どうしても汗をかきます。 でもこの問題はどのソケットでもついてまわること。 ティッシュを入れるなどの裏技で対応するしかありません。
ピッタリあったソケットを作るシステムって無いのか? 将来に向けて・・・
ソケットの製作は、職人の経験と感に頼るところが大きすぎます。そんな訳で、各社ハイテク?を使ったソケット製作システムを考案してます。日本では普及して無いと思いますが、将来期待したいところです。
多分、結局最後の仕上げは、装具士さんの腕が必要とは思いますが・・・。
ちなみに、ソケット製作については、 「ソケットはなぜ合わない」 というページを別に設けました。
以下、ircsocketさんから教えてもらったサイト。
川村義肢(株)
http://www.kawamura-gishi.co.jp/3f/cad_main.html
パシフィックサプライ
http://www.p-supply.co.jp/com/cad/cad.html
海外(.biosculptor社)
http://www.biosculptor.com/
ソケット編 終わり
B. 膝部
1. どんな膝がベストか?
義足に300万円を掛けられるならば、C-Legを買いましょう(ただし毎晩充電)。
そうでない人は・・・・
私は労災で資金的に有利だったこともあり、高価なものも試したのですが、日常生活だけ考えると、しかも、マイペースで歩くとすれば、昔からあるようなシンプルなものでも、合格点という気がします。
つらつら書きますと
幸運なことに、比較的多くの膝を試すことができました。
2. これまで装着したことがある膝の一覧
(製品名をクリックすると製品の感想に飛びます)
@ インテリジェント義足 単軸
A インテリジェント義足 四軸
B Total Knee
C Endolite High Activity
D オットーボック 3R45
E オットーボック 3R80
F オットーボック 3R55
(インテリジェント義足以外は油圧式だと思う.)
さらに、説明を受けたことがある膝は
G オットーボック C-レッグ
A インテリジェント義足 四軸 | ||
長 所 | : |
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短 所 | : |
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B Total Knee | ||
長 所 | : |
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短 所 | : |
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C Endolite High Activity | ||
長 所 | : |
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短 所 | : |
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D オットーボック 3R45 | ||
長 所 | : |
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短 所 | : |
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E オットーボック 3R80 | ||
長 所 | : |
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短 所 | : |
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F オットーボック 3R55 (油圧膝) | ||
長 所 | : |
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短 所 | : |
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C. 足部
抽象的ですが、足部は、軽くて、柔らかいものが良い気がします。
歩くときに、振り子のように歩くために、ある程度の重さが必要という伝説がありますが、ちょっと違う気がします。
女性の場合は、足首の角度を変えられる機能の足部が欲しくなるかもしれません。実は男性でもあると便利なのですが、靴のヒールの高さによってユーザーでも自由に角度を変えられる足部があります。
そんな膝と言えば
- 「HF義足」
- 「センチュリー22TC-8000」
- 「ラポック M1002」
- 「ナブテスコ RS2000」