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義足生活者の1日

2004.06.28 作成

相変わらずまとまってませんが、時間のあるときにでも読んでください。
そろそろ退院という人の参考になれば幸い。

へー ほー ふー

6:40頃

起床。

車の通勤だから、起きる時間はあまり決まってない。

2階が寝室。ベッドではなく、 床に直接ふとんを敷いているから立ち上がるのは、ちょっと大変。

壁に立てかけた 松葉杖を使って、寝室を出て、階段を降りて、ダイニングに行く。慣れると松葉杖のまま階段をおりることができる。

6:49からのシンボウさんの新聞のミカタを見ながら、カスピ海ヨーグルトとシリアルを食べる。

あこがれのカウンターのあるダイニングが災いし、食器棚はダイニングの向こう側。食器棚でお皿を取ったら、反対側のテーブルまでケンケンで行く。冷蔵庫とシリアルはテーブルそばにあるので楽。食器洗いは妻にお任せし、松葉杖で洗面所へ。

洗面所で、一連の作業と、義足装着。義足の装着は2分ぐらい。義足と下着・靴下類は洗面所にある。

松葉杖は洗面所のクローゼットみたいな物置に置く。

靴下 は、グレーの全く同じ靴下を5足ほど用意。義足側の靴下を換えるのは面倒なので、義足側は毎日同じ靴下をはいている。グレーなら比較的どんなズボンにも合うと思っている。スーツの時も同じ。

シリアルの前は、パン とジャムと牛乳 だった。いずれも手間がかからない。ジャムにはうるさい。ヨーロッパに出張する同僚に良く買ってきてもらう。

7:30

自宅の駐車場の車に乗り込む。会社の駐車場 まで5km。

 

7:45

会社 の駐車場から更衣室に到着。同僚より早く行くので、比較的更衣室に近い場所に駐車できる。障害者用の駐車場は用意してもらってない。

更衣室もまだガラガラの時間。スノコの上にのり、立ったままズボンと靴を脱いで、そして、作業着に着替える。ロッカーに肩や腰を当ててバランスを取れば、椅子が無くても着替えが出来るようになった。

復帰直後は、家で作業着に着替えて出社したり、車 を事務所のそばに止めさせてもらったが、そのうち、なんとかなるようになってしまった。




職場は工場 の事務所。安全の観点から事業場内は非常に整備されていていることから歩きやすい。

事務所内も土足だから、靴の履き替えも無い。

事務職なので、ともすれば、朝から晩まで、パソコン に座ったまま。お茶と昼ご飯とトイレ以外は座りっぱなしということもある。ある意味恵まれている。

けれど、それなりに歩かなくてはならず、 会議のため、稟議書にはんこをもらうため、 ちょっと話を聞きに行くため、あぶらをうるため、等のために、結構歩いており、 万歩計は少なくとも 2500 歩はカウントする。

工場内を動くのにマイ自転車 を置かせてもらっていた。工場の敷地は甲子園球場2.5個分。でも実際動く範囲はそれほどでもなく、結局その自転車もあまり使わなくなったので撤収した。

ちなみにお仕事は、工場のエンジニアだった経験を生かし、工場運営の中期計画とか予算立案とかをする運営スタッフ。そんな経営者みたいなことから、電話の取り次ぎまで、なんでもやっている。


食堂は少し離れた建物の2階にある。身障者用のエレベータもある。法律で、その設置が義務づけられ、会社が設置したものだが、私がその利用者となるとは。

列に並んで、トレイにおかずを載せて、ごはん とみそ汁 をもらって、席まで歩く。いままで、お盆をひっくり返したことは無い。

12:00丁度に行くと混み合うので、時間をずらして、12:20頃に食堂に行っている。

調子の良いときは、更家ウォーキングで遠回りして、食堂に行くと丁度良い時間となる。 



切断前は野球をやっていたが、今は、どうも汗をかくのが嫌になり、事業場内を更家ウォーキングするぐらい。海岸に位置しているので、海を見ながら目を休める。

 


お茶 も自分で入れて席まで持ってくる。お茶はこぼしたことは何度かある。昼食を運ぶときほど緊張してないのかも。

コーヒーをこぼすとやっかい。






朝付けたら、夜 まで装着し直すことはあまりない。

性格的に横着なこともあり、多少、変でもそのままはき続けてしまう。お陰で腰が痛くなることもある。

クーラーの効いた部屋にいるせいか、汗もそれほどかかないので、義足が汗で抜けることもない。

バルブからエア漏れがあるので、椅子から立ち上がるたびに、エア抜きをする。シュウシュウうるさいかも。

本来工場内は安全靴が義務づけられるが、重くて歩きにくいので、特別に許可してもらって、スニーカー を履いている。こりゃ助かる。

帰宅後 も、なんだかんだと動いているので、義足は付けたまま。

子供が小さいときは、皿洗いとか、何から何まで毎日やったが最近はあまりしない。義足を取ると、何も出来なくなるので、ある程度片づくまでは、義足を取らない。

ちなみに 玄関にも椅子あり。靴だらけの玄関。

居間は板の間なので、パソコン用の車輪付き椅子を用意し、義足が無くても、ヤカン のお湯を運んだり出来るようにしていた。しかし、今は床に座るようにしてしまい、かつ、フローリングが痛んできたので、車輪付き椅子はやめてしまった。





右上にも書いたが、本当は、テーブルと車輪付き椅子があると、義足を付けてないときは楽。要するに、車いすで生活できる部屋があれば一番という事。けど、建築当時は、そんなことは考えてなかったので、バリアフリーにはなってないのである。

いろいろ聞くところによると、健常な片足を持つ人なら、家の中はケンケンで動けるそうだが、僕は脊髄損傷の麻痺があるせいで、しっかりと飛べない。

家の中では、スニーカーを履いている。家の中で何もしないなら良いが、掃除したりと何かと動くので、靴を履かないと腰や膝が痛くなる。

年を取って、体力が無くなってきたら、部屋の中も変えることになるだろう。


洗面所に椅子は必要。パンツがはけない。

義足をとって、その場に置く。ケンケンで風呂場へ。洗面所と風呂場の敷居は、ジャンプで越える。風呂場の床を壊さないようにそっと着地。
多少高めの風呂用の椅子を用意するだけで、特別な装備は無い。

(子供3人が同時にはいるので風呂場に椅子が二つもある)

下着とパジャマと松葉杖が洗面所にある。

ソケットは除菌用ウエットティシュで拭く。面倒だから毎日拭かないけど。

足が不自由な人のための良くある椅子を使っていたが、狭いので、そのうち邪魔になってやめた。

でも、風呂場にはいるとき、椅子につかまりながら入った方が安心ではある。


お陰様で2階建ての一戸建てに住んでいる。義足を付けていれば2階への上り下りは問題ない。義足を取って松葉杖でも問題ない。

最初は怖いから、這って2階にあがっていた。


パジャマ用のズボンの片足は、もったいないけど切っている。

2階の寝室まで松葉杖であがる。ふとんにごろり。 後は寝るだけ。

 

番外編

僕の生活全般

家族との時間を優先に生きてきたので、
   @ 子育て・家事
   A 仕事
   B 自分の時間
という優先順位。

残業も多いが、子供の習い事のある日は平日もお迎えにいける時間に会社を出るようにしている。帰ってきたら、家事等と掲示板チェックとニュースステーション 30分と新聞を少し読むぐらいで、すぐに寝る。体力無いので、睡眠時間を削れない。

週末も、ソフトボール少年団 とお家の事で、あっという間に時間が過ぎる。同僚とゴルフ行ったり、釣りに行ったりすることはほとんど無い。

しばらくは子供中心。

趣味



地味だぞ〜

 





益子に行ったら「てまり窯」の作品をご指名ください.

切断前:バイク・スポーツ

切断後:体の一部が無くなっても好きなものは変わらないんだよね、これが。僕は、僕のまま。けれど、子育ても、仕事も忙しいこともあり、バイク・スポーツという訳にもいかず、だからというわけでも無いが、いまは、生活の一瞬とか、季節とか、そんなところを楽しんでいる。 あまり時間に余裕がない。

でも、小さな、楽しみを書いてみよう、

ロト6、宝くじ、庭の花(鉢)、ご近所からもらうタケノコ やタラの芽、蛍鑑賞、山の新緑と紅葉、日本茶の葉が開く瞬間までしっかり眺めること、Gucciのコロン、音楽を聞くこと(本当に好きなのは60〜80年代の洋楽、でも中島美嘉ちゃんを応援しているし、Misiaのアルバムはほとんどもっている)、手作りの食器で ごはんを食べる(友人が窯を持っている。益子焼きというか真岡焼きというか →てまり窯)等々。

なんとも地味だ。どうもいけません。家族と仕事優先で、ほとんど自分の時間が無いというところ。でも子供が大きくなって来たので、最近、パソコンの前に座る時間も増えてきた。

も好きなのだが、胃腸が弱くなったので、あまり飲まなくなった。

パチンコ・ゲーム・囲碁・・苦手。じっとしているのがどうもだめ。たばこも苦手。

賭け事も才能無いからやらない。ずっと昔、あまりにはずれるので、府中競馬場 で、1レースで100円ずつ20通りの馬券を買ったのに見事に外れて以来、己の博才の無さを痛感。

考えていること

自分が障害者になってみて、日本の諸制度のずさんさに驚いている 。ひどいものだ。

だから、こんなページを作った。

また、日本人 の民族性にも嘆いている。自分の街の子供達にはそんな人になって欲しくないから、できるだけ、「自分」を見せている。

今は、子供の学校やソフトボールの手伝いをすることで地域への貢献としている。

将来はもっと組織的なことをしてみたいと思っている。少しずつ動き始めていることは、市民のための総合スポーツクラブの運営。NPOだかNGOだかの組織を作れないかと考える先輩の手伝いをやっている。実現できると良いのだけれど。

貴重な時間

週末に子供の習い事の送迎時間の合間に、お気に入りの喫茶店で静かにコーヒーを飲みながら本を読む(仕事の本を読む場合が多いが)。

昨年購入した車。その車内での空間を楽しむ。

街の英会話サークル。英語を勉強することより、その場の平和な雰囲気が良い。それとやはり異文化の人と話すとためになる。

目からうろこ?

YOSSY、ダッピーさんのオフ会は楽しかった。どちらかと言うと「静かな」趣味の時間で満足していたが、やっぱし、 人と人の楽しい交流 は、とても元気になりますな。

ぎゃははははと笑える時間も無いとね。

挿し木から育てたガクアジサイ

背の高さまで高くしたい